中野龍三Web : そもそも薬は「必要悪」であるという事

【待合室の憂鬱】

保育園からお迎えした息子（6歳5ヶ月）をクリニックへ。
息子は今年から「花粉症」がひどく、自分が11歳からだったのに比べてかなり早く、かわいそうだ。

で、何となく憂鬱な気分で待っている。
「早く診て、良くなる薬を出して！」とは、実は思っていない。
むしろ「診るのはいい、だが、薬は必要最小限でいい」と思っている。

自分は薬が好きでない、風邪薬すら、もう15年以上飲んでいない。
インフルエンザでも薬は飲まなかった、半日寝れば、症状が消えていたからだ。

昔は風邪やインフルで重い症状が出ては薬を必要としていたが、その後、食事や運動などの体質改善に努めた結果、風邪くらいで薬に頼らなくて済むレベルになったのだ。

こうなれた事には、非常に感謝している。
薬を飲まずに済むからだ。

【薬は「必要悪」である】

それでは、自分は何でそこまで薬を嫌うのか？

理由は簡単である。
薬は「必要悪」だからである、場合によっては“ただの毒”ですらある。

薬を摂取すると、その成分は肝臓で解毒を行い、腎臓へ運んで排出する事になる。
肝臓の解毒は「代謝」という化学変化によって行うため、薬の成分によっては有害物質が発生する事もあり、結果、肝臓を傷める場合があるのだ。

これを、「薬物性肝障害」という。
抗がん剤などで見られるが、漢方薬や風邪薬といった身近な薬やサプリメントでも起きる場合があるというから、恐ろしい。

世間では、薬に“お”まで付けて過信したり、ちょっとした不調でも病院に行っては安易に薬をもらう事が当たり前のようになっているが、それが本当に必要かどうかを、もっと選別した方がいいだろう。（※病弱など体質を考慮する必要もあるが）

もちろん、そんな自分でもどうしようもない苦痛がある時や、花粉症の症状で夜寝られない時など、薬を使う事もある。
嫌いだが、それでも薬を全否定するのではなく、本当に必要な薬だけをチョイスしているという形だ。

今は、小林製薬の紅麹サプリによる“死亡例を含む健康被害”が話題になっている。
あちらは肝障害ではなく、サプリ精製時に発生した謎の物質（※プベルル酸と言われているが）によって“腎毒性”の方が起きたようだが、抗菌薬やNSAIDsといった薬でも起きるので、同様に注意した方がいい。

小林製薬の健康被害のニュースで、薬やサプリメントにスポットが当てられている。
そんな今こそ、薬やサプリメントとの向き合い方を考え直す機会になるのではないだろうか。

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酒で顔が赤くなる人は、コロナ感染リスクが低い？

【ケアネット】

［補足］飲酒時に顔が赤くなる特性を持つ人は、コロナ感染および関連した入院リスクが低かった。
顔が赤くなる人には「rs671変異体」が多くあり、「rs671変異体」がコロナに対する“防御因子”となっていた可能性が示された。
［一言］酒で赤くなる人は何となく弱いイメージがあったが、所詮はイメージで一長一短だったということ。
あと、もう一点、重要な事があるのだが、それは記事でも軽く示唆されるもハッキリ書かれていないのだが、なぜ新型コロナウイルスに感染しても日本人の死亡率が低いのかという謎、山中伸弥教授が「ファクターX」と呼んだ謎について、「rs671変異体」が関与しているのでは？という事だろう。