中野龍三Web

【水の都・東京】


新しい東京運河──。
方々にウッドデッキが張り巡らされた楽園という名の大地。

【水と芸術という“非日常”】


キャナルサイドのシャネル展示会など、数多の人が集う刺激に彩られたシーン。
海風たなびくオープンレストランで悠久を感じる贅を。
暖かな息吹を感じる都心という新たなるステージへ──。

……以上すべて、特定外来生物「ヒアリ」にとっての話である！

寒かったら建物のそばに巣を作ればいい、お腹が空いたらレストランの床の上を歩けばいい、スティミュラスな生活に憧れるなら人間の足など噛んでみるも良し……ヒアリにとっては天国であろう。

というワケで、数年前、東京埠頭でヒアリが発見されて、テレビなどマスコミ大騒ぎの騒動になったのは記憶に新しいが、果たして、現在の東京湾岸のヒアリは一体どうなったのだろうか？

【貼り紙、発見！】


ホテルそばの緑地帯で、とある“貼り紙”を発見。

【ヒアリじゃないのか！】


それは、令和になった今年、また外来生物が見つかった事を知らせる貼り紙だった。
発見されたのは10月7日と、ほんの１ヶ月前ではないか！

しかも、それはヒアリではない“別のアリ”だったのだ。
その外来アリの名は「アカカミアリ」といい、品川埠頭で発見され、その数、400！

【新たなアリが！】


アカカミアリは中米原産で、その性格は獰猛で活動的、水上まで難なく移動するという。
そして人が噛まれると、かなりの激痛を生じ、さらに恐ろしいのは「尻の毒針」である。
毒針で刺されると激痛の上、アルカロイド毒によって腫れ上がり、最悪はアナフィラキシーショックまで引き起こすという！

ヒアリほどではないにせよ毒性はかなり強く、むしろ注目すべきは、その“繁殖力”だろう。
硫黄島においては、このアカカミアリが他のアリの大部分を駆逐し、島を制圧したのだという……。

ひょっとしたら、日本本土に侵入した場合、“ヒアリよりも定着率が高い”という可能性も。

【足元は大丈夫？】


東京湾岸の「ヒアリ問題」は、今、新たな脅威となって再燃し始めた。
全く油断も隙もない世の中である。

芸術の秋──。
意識アゲアゲで上ばかり見とったら、ウッドデッキから這い出てきたヒアリやアカカミアリにガブッ！といかれるかもよ。


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