2012年8月26日の日記です。

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土曜夜の高円寺は「阿波踊り」で埋め尽くされた!
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 昨日夜の高円寺駅前は、大規模な「阿波踊り」祭りがあり、人、人、人で埋め尽くされていた。
 こんなに人だらけの高円寺を見たのは、高円寺・原発反対デモ以来か。

 “○○連”といった踊りのチームが集結し、その各連がようやく涼しくなった夜の駅前大通りを再び加熱させるべく、踊りと共に太鼓を打ち鳴らし、その振動は空気を貫いて、観客の胸や腹にグワングワンと響いて波打ち、ちょっと痛いくらい。

 そもそも東京で何で阿波踊りなの、よく分からないのだが、それでも予備知識ナシで見てみると、それはそれで面白いもので、沿道から2時間以上ずっと飽きずに見ていた。


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ベーシックな踊りの型と三味線。
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 自分がずっと見ていたのは、踊りの「構造部分」。
 各連の阿波踊りの踊り方は何十パターンもあって、それがどう成り立ったのかとか、どういう効果を生むのかとかを考えるのが面白かったからだ。

 なお、自分が物事を構造から捉えるのはレヴィ=ストロースでなく、「ゲーム」の影響なのだが。


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大きくアレンジして踊り狂う。
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 見ているうちに、踊りには「左手・左足出し+右手・右足出し」という“共通する基本コンボ”があるみたいで、各連はそれをベースにしながら、更なる応用を加えてその玄妙を競っているようだった。

 基本コンボ自体は実にシンプルなものなので、そこにどれだけ効果的アレンジを加えられるのか…など、つらつら考えながら見ていると、

 両手クロス、
 半円描き、
 つま先落とし、
 提灯上げ、
 提灯ひねり落とし、
 ジャンプ、
 反復横とび

 …とさまざまなアレンジが大胆に混ざってきて、結構面白い。


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繊細さと荒々しさの対は、日本古来のもの。
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 全くもって、簡単な素材、かつその原型を喪わないで、よくこれだけ作れるものだ、と感心した。
 それは華麗、勇壮、繊細、妖艶、滑稽、およそどんなモノでも表現出来た。

 ああ、何ということか。

 むしろ現代の我々は、物量の洪水の中で、実は素材をスグに取っ替え引っ替え、それを吟味することなく無駄にしているのではないか…とか、まあいろいろと一人勝手に感動していたのだ。


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大人の踊りを何度も確認しながら
頑張って踊る子供に「可愛い!」の声。

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 さて、2日で100万人を集めるというこの高円寺の阿波踊りだが、本場も驚くくらいの物凄いエネルギーであふれている反面、キチンとまとまっている感が実にいい。

 酔ったバカップルが踊りながら列に乱入しようとして、運営につまみ出されたり、上気した外人カメラマンと目線を塞がれた地元カメラマンが睨み合いになるというのはあったものの、大きな騒動は全く無かった。

 むしろ、各連の先頭で“ちょこまかと”踊る幼稚園児に「可愛い!」の歓声が上がるなど全体的には温かく、いい雰囲気である。

 ゴミなども祭り中でも迅速に回収されるなど統制が取れていて、やはり昭和30年代から続いているだけあって、本当によくできた祭りなのである。


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ついには“横文字”まで登場!
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 そして3時間にもわたる長い踊りの最後に来たのは、何と「マイクロソフト連」、まさかの“横文字”である!
 そして、手に持つウチワには“Windows”、そして“8”!

 先日OSをやっと「7」にして、頑張って使って、ようやく慣れて得た自信をものの“8”秒で三枚に下ろされてしまうという、自分個人的には何とも後味悪いところで幕となってしまったのである…。