悔】
画像は現場ではありません(撮影:中野龍三)。

昨日、駅まで自転車で車道を走っていると、目の前に青い“チョウ”が止まっていたので、咄嗟に右にかわして、踏まずに済んだ。

何で車道にチョウがいるんだと思ったが、急いでいたのと、すぐまた飛ぶんだろうと思って、自転車を止めずにそのまま走っていたのだが、よくよく考えたら、アスファルト上にチョウがいること自体、おかしいのでは……と。
そもそも、さっき踏みかけたばかりではないか。

       ◆   ◆   ◆

そう思い直すと、チョウを捕まえて安全な所へ逃そう! と、歩道を走ってチョウのいた所へ戻る。

チョウは、少し移動したらしい、車道の真ん中で潰れて死んでいた。
後続の車に轢かれたのは、誰が見ても明らかだった。

アオスジアゲハだった。
美しくてまだ小さな羽根が、潰れた胴体にまだ張り付いていて、風が吹くたびにパタパタと揺れていた。

       ◆   ◆   ◆

自分はうなだれてしまった。
何でアスファルト上で“弱っていた”ことに一瞬で気づかなかったのか。
すぐ飛ぶと思ってしまったのか。

一瞬で気づけば、すぐ止まってほぼ確実に助けられた。
花がある近くの公園に逃すか、あるいは100均ケージに入れておいたら、帰ってからチョウ好きの息子(4歳6ヶ月)を楽しませてくれたかもしれない。
その後、家のベランダから逃してやれば、向かいは花いっぱいの庭なので、無事に生きていけたし、他のアオスジアゲハと一緒になれた。

その後、出社したが、そんなことを考え続けてしまい、最後まで落ち込んだままだった。
自分の腹立たしい判断ミスで、今年一番の後悔となってしまった。

もうないことを祈るが、もし次にアスファルト上のチョウを見つけたら、車だけは気をつけて、確実に捕まえたいと思う。