場企業じゃ、あり得ない!?】
クリックで拡大(撮影:中野龍三)。 クリックで拡大(撮影:中野龍三)。

土曜は、ただただ疲れ果てる日。
バイト先は社員が“ここはバイトでやった方が割に合う”と言って辞めていく環境で、つくづく自分はパートで良かったと思えるレベル。
全くもって、平日行っている上場企業とは雲泥の差。

さて、上場といえば、株式投資である。
クリエイト・レストランツHD(3387)から、また大量に優待券が届いたので、お昼の磯丸水産食堂が捗る!

そんな優待だが、4月に東証がプライム・スタンダード・グロースに生まれ変わり、その上場維持基準が「株主優待にとって廃止のリスク」だと指摘されている。

ただし、上記のような飲食関連の上場企業は、株主優待を廃止すると恐ろしいまでの大暴落が起き、もはやマトモに株価を維持できないだろうから、東証プライムであっても廃止に踏み切れないと試算している。
したがって、引き続き、売却などせずに保有を続けたい。

! 東証プライム】
クリックで拡大(撮影:中野龍三)。

株主優待について、もう一つの“別の見方”がある。

それは、そもそも東証プライム銘柄にこだわる必要はない……ということである。
上場維持基準が厳しいのは東証プライムだけであり、下位の東証スタンダード、グロースはそうでもない。
そういった企業の株主優待を狙うというのが、廃止リスクを抑えた今後の一手になってくるかも知れないという話である。

赤ちゃん息子2(1歳1ヶ月)を含め、自分たち家族4人が保有している第一交通産業(9035)は、東証ですらなく、福証(福岡証券取引所)上場企業なのだが、ここは自分は“狙い目”だと考えている。(※保証はしません)

先日、第一交通産業の創業者が100歳にして会長を退任、16億円の慰労金で会社は赤字に陥り、大物議を醸した。

に狙い目か】
クリックで拡大(撮影:中野龍三)。

「現・パナソニックの松下幸之助ですら11億円なのに貰いすぎだ」との批判がある一方、「海外企業の創業者と比べたら安い」とか「7台だったタクシーを9,000台まで増やしたから妥当」という意見もある。
もちろん、煽りや虚偽で腐敗した「Yahoo! ファイナンス」の掲示板は暴言まみれなワケだが、だが逆に、この企業風土は株主優待には“順風”なのでは……と、自分は考えている。

体可能な株主優待】
クリックで拡大(撮影:中野龍三)。

第一交通産業はタクシー会社だが、配当が3.5%と高いうえ、株主優待は年間2,000円ぶんのタクシー券であり、それらを合算した総利回りは、驚異の6%である。

タクシー券は半年に1,000円ぶんずつ届き、有効期限は半年なのだが、“前のタクシー券の有効期限前に次のタクシー券が届く”ため、その期間に利用すれば、新旧タクシー券(2,000円ぶん)が丸々使えるという“2神合体”が可能となっている。
なお我が家の場合、4人が株主なので、最大で“8神合体”まで可能だ。(ゴッド超え)

もっとも、自分は株主優待券を使うのに都内を自転車で走り回っているので、タクシーに轢かれそうになっても、タクシーを利用したことはない。
だが、ここのタクシー券はタクシーに乗らずとも、券面の金額で「カタログギフト」との交換が可能となっている。
これまでも「博多水炊き」「和牛肉」「高級たまごプリン」などと交換してきたが、なかなかの品質で満足している。

証プライムに100%上がれない理由】
クリックで拡大(撮影:中野龍三)。 クリックで拡大(撮影:中野龍三)。

ただ、カタログギフトは先日のオリックス(8591)でもあったように、「調達コスト高による廃止リスク」が大きいので、投資は絶対に自己責任で!

ただ、第一交通産業に関していえば、株主優待の改悪や廃止は、可能性的に低いのでは……と踏んでいる。

理由の1つは、ここが株主優待に逆風の東証プライム市場ではなく、“福証”であること。
もう1つは、やはりここの“企業風土”に尽きる。

まず、ここの大株主を見ると、約38%が第一交通産業の資産管理会社(?)や従業員持株会で占められている。
さらに約13.5%が黒土・田中など創業者一族で占められていて、つまり、これらだけで株式総数の“過半数”を超えている。

また、「取締役の構成」にも注目。
黒土・田中ら創業者一族や生え抜きの幹部ら12名に対し、社外取締役はたったの3名!
……もはや典型的な同族経営である、潰れた大塚家具や、はるやま商事(7416)みたいにケンカするなよ。

「Yahoo! ファイナンス」の掲示板などでは、しきりに第一交通産業の“東証一部(プライム)昇格”論が唱えられてきたが、それははっきり言って、あり得ない。
東証プライムでは、このような創業者一族や子会社で自社の株を囲い込んでしまうことを許さないからだ。
また、プライム基準では、取締役は“社外取締役が過半数以上”が目安となっているからだ。

守的企業を“逆手に取る”戦略】
クリックで拡大(撮影:中野龍三)。

したがって、第一交通産業はハナから東証プライムを目指す気などなく、それよりむしろ、敵対的買収を恐れて同族や身内で株式を固めたいのである。
そんな中で、さらに高配当・株主優待で「流動化しない個人株主」を大量に囲い込んでいるのを見ると、その周囲もガードしておきたい……という意図まで感じる。

そういった企業の株式銘柄は、機関投資家など大口の投資家からは「流動性を損なう」と徹底的に嫌われるが、株主優待好きの個人投資家にとっては選好すべき銘柄なのである。


第一交通産業のタクシー車種はトヨタ・クラウン