中野龍三Web : １株なら持っていて損はない！フジ・メディアホールディングスの「隠れ優待」

【報告書が届く】

先月は、大多数である“３月決算企業”の配当ラッシュ月だったため、優待や株式書類が山のように届いた。
フジ・メディアホールディングス（4676）からも配当通知と共に報告書が届いたので、見ていく。

【業績ハイライト】

フジテレビの視聴率が低迷している上、コロナの影響でその他のコンテンツ売上もさえない。

【安泰なのは間違いない】

それでもフジが安泰なのは、セグメントが放送事業だけでなく「不動産事業」もしているためで、その辺は朝日新聞社と事情は変わらない。
57％という高い自己資本比率も良好。

【肝腎の報告は？】

さらに、映像配信事業も拡大し、売上向上を目指すという。

……で、アレの報告は？
「放送法の外資規制違反問題」である。

何と、今回の報告書には１行もないではないか。
東証一部とは思えぬハメの外しっぷりに、ビックリ。

【本題はここから！】

報告書を驚きつつ読み切って、ついに裏面まで辿り着いてしまった。

……でも、実はこの「裏面」が一番重要だったりする！

裏面は「無料券」「割引券」となっていて、一押しは“お台場フジテレビ球体展望室の無料入場パス”なのである。

【「隠れ優待」という存在】

球体展望室は有料で、高校生以上が700円、小中学生が450円なので、これのタダ券は結構ありがたい。

報告書のオマケゆえ、フジはこれを株主優待と謳っておらず、本物の株主優待はどうでもいい「手帳」なワケだが、タダ券の方が魅力的なため、名人・桐谷さんをはじめ、優待株主の間では「隠れ優待」として広く知られているのだ。

【見晴らしの玉】

まあ、お台場に行かない人には全くもって無用の長物な隠れ優待だが、自分は定期的に行くので、あると嬉しい。

息子（3歳8ヶ月）をお台場で遊ばせるのと、以前自分が事業をしていた時に知り合った外国人の取引先とはまだ付き合いがあり、来日された際はよくお台場へ行くので、球体展望室は外せないコースとなっている。

外国人持株比率で問題になったフジの隠れ優待で外国人を接待というのは何とも皮肉であるが、まあ仕方ない。
なお、上の画像と下の画像は、その時のもの。

【観覧車や恐竜橋も見える】

展望室タダ券は同伴８名までいけるので、家族サービスにも接待にも使え、東北新社もこれくらいの接待なら問題にならなかったのにと思う次第だ。（※冗談だが）

ただ、今回の「放送法の外資規制違反問題」を受け、自分は含み益が大きく出ているうちに、100株全てを売却した。
それは不祥事に失望したというより、今後フジが外資比率を下げるために「新株を発行する可能性」が出てきて、もしそれが発動されると時価総額は変わらないのに株の総数だけが増えて、「１株あたりの価格が暴落する」事になるからだ。

自分は、それが起きる前にサッサと売り抜けた方が良い……と判断した。
長期保有が投資方針だが、多少の例外はある。

【裏ワザ紹介️】

え？でもそんな事をしたら、もうこの先、報告書が来なくなり、隠れ優待をゲットできないのでは！？
……実はここからが更なる本題で、そうならないための“裏ワザ”があるのだ。

この報告書裏のタダ券、あくまで報告書の裏表紙に過ぎず、正式な株主優待でも何でもないので、頑張って100株を保有し続けている必要性など、全くないのだ。
報告書が届く対象は「全ての株主」、つまり、たった１株しか持っていないドケチで救いようのない株主にも適用され、タダ券つき報告書が届くのである。

つまり、「１株だけ買えばいい」のである！

そのため自分は100株を売却した後、“１株だけ”買い戻したのである……現金は使いたくなかったのでポイ活で貯めたTポイント1,335pで交換。
先に投資した100株の元手は既に売却によって回収済みで、そして売却時の値上がり益も約25,000円、加えて配当も1,435円（※いずれも税引き後の額）もあったので、そこから改めて1,300円ちょっとで１株だけ買っても、元手は全く傷まない。
この１株は、いわゆる「恩株」である。

現在のフジ・メディアホールディングスの株価は、値下がりして1,200円台。
球体展望室に２回行けば元がとれるので、お台場でよく遊ぶ人は、「マネックス証券」や「楽天証券」や「SBI証券」など“１株から購入可能なネット証券”を利用するか、Tポイントで１株から交換可能な「SBIネオモバイル証券」を使うのが良い。

［2021年7月7日追記］記事の展望室無料券サービス等は、2022年より“100株保有以上が対象”に改悪されてしまいました……。