2013年10月19日の日記です。

て、今晩も】
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ネズミと闘わねばならない。
昨日はこの押入れに逃げ込んだが、今日は何とかして「捕獲」したい。


ズミが奥で震えている間に】
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フスマを少し開けて、中を確認。
昨日、ガリッガリッとフスマを噛んでいたようだが、やっぱり破れていて、粉が下に散っていた。

…隣に続き、この退避部屋も近々リノベーションで全部ぶっ壊すので、たらふく食べていいよ!


日はワナを設置】
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フスマを少し開けて、捕獲ケースを設置。
さらにケースの上には“立て板”も置いて、それ以外の進出を防ぐ。

また今度は、捕獲ケースの中に“チーズ”を入れて、ネズミが入り込んだ瞬間にフスマを閉めれば、捕獲ケースに密閉される算段だ。
あと、何でチーズかというと、子供の頃に観たアニメの影響である。

ということで、ワナを設置して、家の仕事をしながら2時間ほど、待つ。

……3時間経っても、一切、何も起こらなかった。
ワナは失敗し、あきらめてまたフスマを閉めた。


10分後、中でガタゴトうるさいので】
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中を少し見ようと、フスマを少し開けたその時だった!

何か小さい頭が覗いたなと思った途端、壁の中ごろからまたしてもピョーンと跳躍、ワナの箱を軽く飛び越えてリビング真ん中に着地、衣装ケース裏へ入り込んでしまった…!

自分はネズミは臆病だから、そこまで僅かのタイミングで行動を起こすとは思わなかったので、“見事に裏をかかれた形”となってしまった。(※この時、捕獲ケース上の立て板も取り外していた…)

何と憎々しい事か…!


かし、直後にチャンスが!】
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ネズミは衣装ケース裏から立て続けに「本棚と壁の隙間」に移動。
しかし、そこは“行き止まり”だった。

それはまさに、袋のネズミだった!


鼠の実際の行動は?】
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追い詰められたネズミは意外と「固まる」らしく、目は合っているのに一切動こうとしない。

自分は嬉々としてカメラとペンライトを持ち出し、固まっているネズミをひたすら撮影、しばらく楽しんだ。

そしてようやく、自分は左手でホウキを持って、右手にザルを持ち、構えた。
ホウキでネズミを追い立て、壁づたいに出て来たところをカポッとザルを被せて捕らえるという紀元前から続く“黄金パターン”だ。

「絶対に負けらけない闘い」がそこにあった。


ーンと】
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自分はホウキでネズミを弾いた…いや、弾き過ぎた!

追い立てるはずが、ネズミを勢いづけてしまい、確かにネズミは出て来たものの、「壁の割りと高いところから斜めにジャンプ」させる事を許してしまい、そうなると到底、ザルでは追いつかなかった。


び“自由の身”になった】
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ネズミは無事に何もないところに着地。
そのまま隣の台所まで突っ走り、奥の小窓の隙間から外へ!


敗】
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自分も慌てて外へ出たが、ネズミはさらにマンションの廊下を突っ走っていき、端から工事中の足場へ飛び移り、闇の中へ消えていったのであった。

本当は、確実にネズミを捕えて、触って遊んだ後、捕獲ケースの中で撮影タイムなどして、人家の少ない公園に逃がすつもりだったのだ。

こういう特集を組む際は、どこのサイト管理人さんでも多分そうだろうが、ある程度の“予定調和”を想定して書くものだと思う。

この場合は捕まえて、ほら、意外とかわいいでしょ、最後にチーズを食べるシーンをどうぞ!…みたいにやろうと思っていた。
なのにそんな画像は一枚たりとも撮れず、逃げ去られた後の画像を撮ってシメるなど…何て事だ!

…いや、向こうだって「負けらけない闘い」だったのだ。
だから自分が「負けらけない闘い」に負けたのではなく、ネズミが「負けらけない闘い」に勝ったのである…そうそう、そういう事なんだ。

とにかく、こういう時は、ネズミ視点で考えると良い。


:へんな家】
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昔、あるところに、かわいいネズミがいました。
ある日、ネズミはたべものをさがしているうちに、へんな家に迷い込んでしまいました。

へんな家には「悪い人間」がいました。


:悪い人間】
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悪い人間は、なにも悪いことをしていないネズミをしつように追い回しました。
ネズミはひっしに逃げ、押入れに逃げ込みました。
すると、なんということでしょうか!
悪い人間は“かとりせんこう”という毒のキリでネズミをこうげきしました。


:ネズミ危機一髪!】
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ネズミは必死にたえました。
なぜならネズミには、“いいなずけ”がいました。
いいなずけのためにも、ネズミは食べ物をさがして帰らなければいけませんでした。


:誘惑】
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すると悪い人間は、その弱味につけ込んで、こんどは“チーズ”のごちそうをトビラのまえに置いたではありませんか!

ネズミはなにもたべていなくて、チーズがたべたくてしかたありませんでした。


:心の声】
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しかしそのとき、ネズミの心の中で声がしたのです!
それをたべてはいけません、あなたは今、おなかを満たしたいのですか? それとも、いいなずけのもとに無事に戻りたいのですか?

ネズミは、その声にしたがって、ぐっとがまんました。


:勇気】
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すると、しばらくして、押入れのトビラが開いたではないですか!

ネズミは、これはワナかもしれないと思いました。
しかし、ネズミはもうなにもたべていなくて、げんかいでした。
ネズミは、このとき「勇気」を出さないと、もう後がないことをしっていました。
だから、無心になってジャンプしました。


:神の試練】
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ネズミはなんとか押入れを脱出し、壁づたいに逃げ、本棚のすき間に逃げ込みました。

しかし、なんということでしょう!
ネズミが逃げたさきは、袋小路だったのです。

悪い人間は、勝ちほこったように、へんなきかいをネズミに向けたり、てらしたりしました。

ヒヒヒ…おまえが逃げる場所なんて、もうどこにもないんだよ…!!


:悪魔の一撃】
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悪い人間はそういうと、魔女がよくもつといわれる、先にたくさんの枝がついた太い木のみきでネズミをなぐりました。

ネズミはもはや神にいのるしかありません。
ネズミの運命はもはや風前のともしびでした。


:神の声】
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…そのときです!
いしきがうすれゆくネズミの目のまえが黄金色に輝いたかと思いきや、やさしい声が聞こえてきたのです。

あなたはここまで幾多の危険と誘惑にうち勝ちました、その勇気にめんじて、加護を与えましょう!

それはハッキリ聞こえました。
神の声でした。


10:奇蹟】
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その声が聞こえたと同時に、ネズミの体は天使たちに支えられてポーンと高くはね上がり、悪い人間がしかけたワナをも越えていきました。

ネズミの目の前には、広いゆかと、その向こうに、出口のようなものが映っていました。


11:信じる者は救われる】
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それは真っ白に輝いていて、「天国の門」のようにも見えました。
ネズミは恐れず、神の声を信じてその門をくぐりました。

そこは天国ではなく、地上の外でした。

しかしネズミには、天国より輝いて見えました。
地上なら、会えるのですから!

ネズミは一直線に走っていきました、愛する者のもとへと。

こうしてネズミはちょっと腹ペコだったけど、いいなずけと結ばれ、しあわせに暮らしましたとさ。

<おしまい>