2010年2月15日の日記です。

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               みなとみらい線 「横浜中華街」 駅周辺は、こんな感じ。

 元町・中華街駅を降りると、いきなりプンと海の香りが。
 おととい土曜日は夕方から商談のため、横浜中華街まで、ほぼ10年ぶりに行ったのだ。

 マリンタワーを下から見上げたり、ウィンドーショッピングしたりして時間を潰し、先方の社長と合流。
 とりあえず中華料理屋で話をしようということで、案内してもらう。

 久々の中華街は全く新しく見え、どこの中華料理屋に入るんだか…とワクワクしながらついて歩いていると、何と中華街を抜けてしまった。

 そのまま橋を渡って、元町に入る。
 ここにワンランク上の中華料理屋があるのだという。

 あえて中華街で食べないところが、何とも斬新である!


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中華料理屋だが、随所に和と洋を取り入れる大胆さ。
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 店は 「エピセ」 といい、店内は中華料理屋には全く見えない。
 ちなみに席はセレブだらけ。 服装を見れば分かる。

 まずはビールで乾杯して、商談に入る。
 意外とポンポンといいアイデアが出てきて、一気に話が進む。

 実現すれば、ゲーム界においてかなり画期的なものなので、何とか成功させたい。
 また、他の案件も出たので、複合的にやっていければ…と思う。

 商談は上手くまとまり、その後は普通にな感じで “飲み” となる。
 しかしこの店、外見だけでなく出てくる料理も、中華料理屋のものに見えない。

 例えば、「フランス産合鴨と茄子の香港みぞれポンズソース」 は、フォアグラと鴨肉と茄子と下仁田ネギの一品で、見た目も中身もフレンチと和食だ。
 これのどこが中華なのかと突っ込もうと思ったが、食べてみるとあまりの見事さに、そういう気も失せた。

 フォアグラはとてもよくしまっていて、味も淡白、変にまとわり付くこともなく、東京の残雪のようにすぐ溶けていく。

 そして鴨肉は、その食感がまさに牛レアステーキの如しで、これが鴨なのか…と軽く慌てたほどだ。
 もちろん鴨の香りはするわけなのだが、ただそれは本当に薄く香る程度。
 これは裏を返せば、鴨でもここまでやれるんだという “静かなる自信” すら感じられる。

 さらに下仁田ネギは、細切りにされて鴨肉の下に隠れているのだが、シャキシャキしてみずみずしく、そこからうっすらとした “甘味” を感じ取ることができ、ネギの苦味などは全くない。

 まるで一皿で “謙譲の美徳” を表現したかのようなのだ。

 「ハマグリと竹の子の葱油がけ」 も、京美人のような驚くべき白さの竹の子が出てきて、素材の味自体も徹底的に薄い。

 これにはちゃんと意味があって、元々仄かであるネギ油の香ばしさが、素材の味に邪魔されず上手く絡むように計算されてあるのだ。

 またこの薄味に反比例するかのごとく、繊維のシャキシャキ感はシッカリしていて、またそれでいて、その一本一本の繊維自体が市販の竹の子よりもはるかに細いので、その食感は文字通り繊細なシャキシャキ感なのだ。

 …これはおそらく、一般家庭ではお目にかかれないと思う。

 「エビチリ」 は、凄いボリュームの有頭大海老が堂々と乗っかっていて、見た目からして一般的なエビチリとは違う。
 そして食感はまさにプリプリとして、噛んだ途端、幸せがにじみ出てくるかのようだ。

 またチリソースが非常にアッサリ目なので、エビ本来の味わいが楽しめ、エビチリに大きなエビとアッサリのソースを用いた戦略は、まさに成功といわざるを得ない。
 当然ながら、頭部のミソまでいただいた。

 またちょっとした箸休めに、「フカヒレスープ」 も頼んだ。

 このフカヒレは市販のものよりずっと太く、歯ごたえだけでも純粋に楽しめる。
 さらに濃厚鶏ガラスープにはかなりのトロみがついていて、フカヒレをゆっくり楽しめるように一工夫されてある。


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左:イタリアワイン。その特徴は…? 右:高級店の 「青菜炒め」 はハンパない!
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 さて、この辺で7千円くらいのイタリアワインを注文。
 一口飲むと、喉元をスッと通り抜けていく感じで、一瞬 「エッこれだけ?」 と思うのだが、数秒後にまるで追いかけてくるかのように、芳醇な香りが湧き上がってくる。

 ただ香りに関しては、先日の青山で飲んだほどの濃厚さではないが、この “時間差の味わい” には、大変に面白いものがある。

 また同時に出てきた 「青菜あっさり炒め」 は、青菜にかかった塩だれが関西人も驚くほどの薄味で、全く辛味を感じない。
 これはもちろん、そうすることによって “青菜本来の甘味” を極限まで引き出しているワケだ。

 “素材がいいからこそ許される挑戦” なのだ。


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左:これがこの店のチャーハン。 右:もはや中華屋とは思えない!
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 次に 「チャーハン」 を頼む。
 “チャーハンの出来で、中華屋の実力が分かる” とはよくいわれることだが、いまさら実力を試す必要もなく、ただの酔狂で頼んだということだ。

 すると、こちらの予想をはるかに超えたチャーハンが出てきた。
 あっさり薄味のパラパラ飯に、ほのかに魚醤を効かせてきたのはいいにせよ、さらにそこに胡椒がかかったレタスを乗せてきて、小粋な食感を実現している。

 …全く頭が下がる。

 さてここで社長が、今まで飲んだことないワイン飲みたいということなので、当然お付き合いを。
 今度はフランスのブルゴーニュで、先程のとは違い、一口で強烈な香りに包まれた。
 イタリアは時間差でほのかな香り、ブルゴーニュはいきなり強い香りに包まれる。

 店の人に聞くと、元来ブルゴーニュはイタリアワインと比べ、酸味と香りが強いのだそうだ。
 あとはそれを維持しながら、えずかない程度にまとめることが出来るかが、良質のワインか否かということのようだ。

 ともあれ青山のワインの謎もここで解けた。
 また社長はブルゴーニュ好み、自分も同じである。

 ということで、お蔭様で家にある298円のワインが飲めなくなってしまった。(人にあげたい)


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左:この黒人歌手は本当にプロ。 右:とりあえず乱入した!
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 さらに場所を移し、二軒目のバー 「コンズ・コーナー」 に入り、社長のお友達と合流。
 貴族の館にでもいるかのような洒落た店内、ところどころにアンティーク家具が置かれていて、落ち着く。

 こういうところでは、ソーセージやマグロのカルパッチョをつつきながら黒ビールを飲んでいるだけでも十分なのだが、何とまさかの黒人歌手のナマ歌までついてくるという。

 客が歌って欲しい曲をリクエストして、黒人歌手が順番に歌ってくれるシステムで、自分はエリッククラブトンを要望したが、結局一番感動的だったのが 「スリラー」 だった。
 声量、アクション…あまりにも本物に近い! これは日本人だと多分無理な領域だ。

 これには自分も拍手喝采した。
 そして 「Excellent! You are my favorite!!」 と最大の賛辞を送ったのだ。


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気取ることなく、案外普通の会話をしている。
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 もう0時を回っていたと思うが、三軒目はキャバクラに。
 新宿歌舞伎町の店ほどキャバ譲の入れ替わりが激しくないので、ゆっくり話せたのが良かったところ。

 また普通に肩を組めるなど、サービスもいい。
 普通に数時間ほど和気藹々と話しこんでいた。

 ただ新宿同様、ちょっと気になることを指摘されたので、機会を見て他の人にも聞いてみよう。


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これがお店のテーブル。 織田信長は小姓の森蘭丸とデキていた。
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 四軒目は先の店のキャバ譲と同伴で、アミューズメントバー 「ラオウ」(RAOH) に。
 この時点でもう4時なのだが、社長が相当強いようで、みんな元気だ。

 中に入ると “男の子達” がお出迎え。
 「ここってゲイバー?」 と尋ねてみると、違います、という。

 だが店のテーブルを見ると、ゲイ著名人の写真がタイル状に敷き詰められ、しかも “偉人” と絶賛されてある。

 いやこれは困ったなと思い、それから6分おきに 「ここってゲイバーだよね?」 と突っ込むのだが、やはり違うとのこと。
 …どう違うのだろうか?

 まあそんな感じで意見の齟齬を残しつつも、盛り上がる。
 無理矢理でも上げ上げにする感がまさにゲイバー…いやアミューズメントバー、さすがだ。

 定番の 「山手線ゲーム」 などやっていると、突然 “ショータイム” が始まり、大音量で音楽が流れはじめる。
 すると回りにいた男の子が楽屋に引っ込み、程なくしてステージ上に現れる。

 とりあえず自分は、40分ほどビデオカメラを回していたのだが、その凄いのなんの…途中、自分がステージ上でパラパラを踊るとか、そんな些細なことではなくて、とてもここでは紹介できるレベルでないのだ。

 …まあどうしても見たいという方は、ウチに遊びに来たらコソッと見せなくもないが。
 (※自分がステージにいる間は、キャバ譲の方が撮っています)

 ショータイムの後は、“たくと” 君という子と話し込んでいた。
 プライベートではバンドをやっているそうで、仕事と両立させて頑張っているとのことで、自分も僭越ながら売り込みとはどうやってするものか…について話した。

 自分らが番組の企画を通した時のかなり強引な手法などをベースに話し、一体バンドは誰のためにあるのかなど、本質的な話をしたり、番組公開収録場ともなった川崎のヒーローズベースで歌ってみたらと勧めたり、1時間くらい熱弁を振るったワケだ。

 

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みなとみらい線 「馬車道」 駅。 東急東横線とそのままつながっている。
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 「ラオウ」 を出ると、もはや6時半、立派な日曜の朝だ!
 …というか、またもやこんな時間まで遊んでしまった。

 とりあえず、みなとみらい線 「馬車道」 駅までみんなで歩く。
 帰るならJRを避けろという社長の友達のアドバイスのおかげで、ほぼドンピシャで東急東横線に乗れ、無事に帰ることができた。